日時: 平成15年5月24日(土曜日)午後3時から
場所: 豊島区医師会館 4階講堂
演題: 「ウィーンわが夢の町」
演者: 高瀬新一郎氏
(八王子高校音楽教諭)
参加人員:36名
会はザックス・杉本の司会で始まり、先ずあんみつ姫・小池幹事の演者紹介があった。
演者は国立音大を卒業後、八王子高等学校音楽教諭となり、吹奏楽部を創設、 3人の部員からスタートして次第に頭角を現し、1990,1994、1997 、2000年の各年、ウィーン世界青少年音楽祭に八王子高校吹奏楽部として参加、初年度の第一位受賞、以後も受賞し、2000年には遂に大賞をも受賞するという輝かしい成績を収めています。その結果、今年はウィーン市の推奨で5回目の参加と聞いております。先生の肩書きは
八王子高校吹奏楽部指揮者 のほか
全日本吹奏楽連盟常任理事 などなど枚挙に暇がありません。
また、メロウ倶楽部は主にパソコンを通じてのネット活動をする任意団体で、今や全国に300名を超える会員を擁するまでになりました。私どもの活動は随時倶楽部のHPに載せておりますので、八王子高校の生徒さんもパソコンでいつでも見聞き出来るというわけであります。今回の講演の多摩のけんさんのビデオもいずれそこで拝見できる訳で楽しみにしております。
初めに意表をついて演者が「ウィーンわが夢の町」を独唱し、気分は一挙にウィーンへ飛んだ。ついで審査の模様を話された。朝、4時半に起きて5時に宿を出る。8時には演奏なので予備体操、ウオーミングと忙しい。会場には審査員5名と関係者だけです。課題曲と邦人の曲と自由曲をやるのです。課題曲は「こうもり」をやりました。
140人行きましたが、舞台は狭いので上がれるのは80人です。邦人曲の途中で審査員から「ブラボー」の声が上がり、過去3回では初めてで、びっくりしました。今年は感触があるのかなあ、と思いました。3曲終えて、「心が一つになれてよかったね」と言うと、みなの目から涙が溢れていました。初めての体験でした。審査会場を出てジュースで乾杯しました。
翌日は頼まれて小さな村へ、日本人を見るのは初めてと言うところへ行って演奏しました。そこでは村をあげての大歓迎をうけ、好評で喜ばれました。
倶楽部の方からご説明がありましたが、ウィーン大賞はオーケストラ、吹奏楽、コーラスの3部門の最高の賞です。最初の年は吹奏楽部門の1位でしたが、2000年には遂に念願のグラン・プリを貰いました。
発表のときは指揮者が壇上に並び、結果を聞くわけですが、言葉がドイツ語なのですぐには分からないのですが、子供たちが飛び上がって喜んでいたのが眼に焼きついています。
今年も7月には5回目の参加で、みんなで出かけます。子供たちは練習と勉強の間で悩むわけですが、赤点をとると留守番だぞ、と言うとみんな勉強します。ある生徒は今が一番勉強していると思うと言っていました。 中間試験とぶつかりますが、特別受けないでいいと許可が出ました。見込み点数でやってくれました。
大会に出るにはそれなりの門があります。予め録音テープや写真、資料などを送り、更に日本吹奏楽連盟の推薦を受け、それが認められて初めて参加できる仕組みになっています。今年はウィーン市長の招聘があって7月に行きます。世界各国から30団体ほど集まります。
過去、20万人ほど集まり、ヨーロッパ最大の音楽祭になっています。入賞するとオーストリア国営放送が録音して全国に流してくれます。また、全員がケルントナー通りをパレードしてステファン大聖堂前で合同演奏をしますが、大勢の観衆が集まり、感激します。
一夜、市庁舎内で交歓ダンスパーティがあります。みんな踊れないのですが結構いろんな国の連中と語り合って仲良くなるようです。 コンクールは沢山ありますが、ウィーンのはほかと違ってコンクールの他にコンサートやパレード、訪問演奏、録音放送など沢山のイベントが組み合わせてあり、特色でもあり、魅力ともなっています。
私の学校は私立なので目玉を作らなければ生徒は集まりません。その点、我が吹奏楽部は学校に貢献していると思っております。皆さんのご親戚など是非、我が八王子高校を受けるようにお勧め下さい。(笑)
今、わが校には2000人通っております。校舎は9階建てですが、昨年は500人の募集に800人来ました。また、4階建て増す計画を立てております。
私が吹奏楽部をやり始めたきっかけを申し上げます。先ず私が赴任したとき、学校の入学式でテープを掛けたのに「君が代」も「校歌」もうまくかからないお粗末さです。また、当時は新婚で、暇なので早く帰ると、隣の奥さんに、あの人何している人?と指をさされました。
そこで発奮してたまたま、学校時代、吹奏楽もやっていましたので3人の生徒から教え始めました。その年の卒業式に、も少し集めて6,7人にエレクトーンで補いながら演奏したら大拍手を貰いました。子供たちは大喜びでもっとやろうと言うことになりました。
>何年ぶりかで、ビデオに釘づけになり、子供たちの演奏や仕草のあれこれに、
>胸を熱くいたしました。 一つの楽器に習熟するのさえ並大抵の努力では適いま
>せんのに、高瀬先生のご苦労やご苦心はいかばかりであったでしょう(桐子さん)
初めは楽器集めです。高い楽器もあるので大変でしたが、だんだんに集めました。そしてあちこちに出かけて演奏をするようになりました。なかなか上手くなりません。そこで歌の練習も取り入れました。簡単な歌です。
やってみましょう、と言って、ドミソをやりましょう。ハニホでは上手くいきません。皆さん、声を出して見ましょう。ソーーーー、ハイ、ソーーーーー。頭の上から出すのがベルカントです。左はドーーー右はソーーーーー。みんなで声を出させられました。ドーミーソー。だんだん上手くなってきました。ここの方は上手いですね。私は3つ合唱団をやり、今でも続いています。
>高瀬先生がドレミの和音を指導して下さって、会場の皆が声を張り
>上げた時には、会場全体が輝いていました('-'*)(あんみつ姫さんの感想)
そうして吹奏楽に歌を取り入れました。また、あちこちの演奏を聞きに行きました。行ってみるとお互いに挨拶してるんです。挨拶が大事なんですね。
うちの子たちが眼を輝かせながらやっているのを聞いてください。8月16日に演奏会をやります。是非聴きにいらして下さい。
>キラキラと輝いている子供達が学校を卒業してどんな展開をして行くのか
>数年後の彼らの生活にも又興味が沸きます。
>講師の高瀬さん、ご苦労はおありでしょうが、先生を慕って行く子供達の指導
>又見守るのも最高の喜びではないでしょうか?(ぴあのさんの感想)
では後はスライドと兄が作ってくれたビデオを見て下さい。(拍手、拍手)
第1回目の定期演奏会、ディズニーランドでの演奏会、初めてのコンクールで銀賞を貰ったときのです。楽器の梱包、楽器の点検、修理、ホテルの前での練習、シュトラウスの銅像の前、3カ国合同演奏、父兄の集まっている所、法被を着ている写真、コンクールのプログラム、マチネー・コンサート、踊りながらの演奏にこんなの初めてだとびっくりしていました。ウィーン大賞を貰ったときの写真、などなど。
音楽入りの動画なので、現地の空気が伝わる。
練習の合間に訪れたシュタットパークのモーツアルトの像、有名なヨハン・シュトラウスの像。
ウィーン一番の繁華街、ケルントナー通りに向けてパレード開始。
八王子高校は、赤、黄、青の鮮やかのパッピ姿。演奏曲目は「カッポレねぷた」。総勢、140人。
シュテファン寺院前広場で、各国参加楽団との合同演奏。ここで、八王子高校が「カッポレねぷた」をアクション付で独演。大喝采。(会場の皆も拍手)
翌日、夜、ウィーン中央放送局で公開演奏。「カッポレねぷた」、喜歌劇「蝙蝠」序曲など。1時間以上のアンコールの締めはコーラスでドイツ民謡Muss i denn(想い出)。観客のスイス男声合唱団から絶大なウェーブ。(会場内からも拍手、涙を拭く姿も)
コンクール会場のオーストリア・センターに朝7時半集合。固い身体をラジオ体操、駆け足、ジャンプなどでウォーミング・アップ。全員で肩を組み、 大声を上げてリラックスさせる。
コンクール会場で、最後の練習。(コンクール本番は撮影禁止)
コンクール終了後、近郊のイルンフリッツ村に訪問演奏。各楽器パートごとに入場して、楽器と団員を紹介。グレンミラーなどを演奏後、会場の観客と輪になって「野ばら」合唱。(会場の皆もまた拍手、拍手、感激の涙を拭っている人も)
再び、オーストリア・センターで、入賞チームによるマチネーコンサート。
ここで演奏することで、何かの賞に入賞したことが判明。ここで、再びスイス合唱団のウェーブ歓迎をうける。演奏は難曲「道祖神の詩」(日本の曲)。
成績発表、受賞式。 吹奏楽部門:金賞受賞
さらに ウィーン大賞:受賞 (今日の会場からも拍手)
全員で記念撮影。
演奏中の踊りと言うか動きは? 主に私が考えましたが、評判がいいので他の方にもお願いしました。
3人で始めたのはいつごろ? 29年前のことです。
感激で、もう眼がうるうるしました。子供さんたちに先生は素晴らしい贈り物をされたと思います。レパートリーの広さにも感心しました。アレンジは?
主に私がやりましたが、プロにも頼みました。当初は男性が半分いましたが、男は運動部に行くので、現在は130人中、男は30人です。
先生を小さいときから存じ上げていますが、この晴れ姿をご両親にお目に掛けたかったと思いました。
終わりに亀井会員からお礼の言葉と閉会の辞が述べられましたが、ビデオで聴衆の感激も伝わり、一人でここまでされたこと、高校生たちの眼がきらきらしていることにも感動しました。有難うございました。もう一度盛大な拍手をお願い致します。
1 KAME・亀井 2 こたろう・新田 3 タツマロ・安部
4 だん・大野 5 トーマス・岩下 6 IDE・出射
7 甲斐 尚子(*) 8 赤石 正人 9 ムーミンパパ・松田
10 後藤 匡 11 高岡 稔 12 高岡 洋子
13 石原 元典 14 多田 啓也 15 多田千代子
16 桐子・後藤 (*) 17 越川 静子 18 清田 宏(*)
19 ぴあの・石黒 20 松谷 郁子 21 小柏 公子
22 あろい・芳賀 23 山仲 靖朗 24 山仲 紘子
25 くまのぷーこ・熊谷(*) 26 津田 謙二 27 上原 勉(*)
28 あんみつ姫・小池 29 甘辛城主・小池 30 坂本 昇造
31 のびさわ・沢(*) 32 沢 芳子(*) 33 ポッカ・工藤(*)
34 多摩のけん・高瀬 35 ザックス・杉本
* ムービー撮影担当:IDE・出射さん 多摩のけん・高瀬
* 会場、懇親会場撮影:ザックス・杉本
すぐ近くで行われた懇親会も大勢で盛り上がりました。しばらく歓談の後一人一人の自己紹介と感想が手短に話された。何方もお話への感動が語られ、涙をひそかに拭きながらと言う方も1人や2人ではありませんでした。
その辺は会員談話室の感想をご覧いただければと思います。この司会は甘辛城主さんとザックスが受け持ちましたが、し甲斐のある会でした。
この高校の吹奏楽部の立派なCDが出ております。
また、近々、この講演会のビデオも出来ますのでお知らせいたします。
文責; ザックス・杉本 多摩のけん(スライド、ムービーの項)